カラオケバーにおける「採点機能」によるトラブル

採点トラブルバー運営
カラオケの採点機能

カラオケを歌い終わった後、その歌唱の点数が出るのは誰でも知ってる機能です。私の記憶ですと、カラオケボックスが普及する前の子供のころからありました。父親が慰安旅行に行ったときバスの中のカラオケ(小さいブラウン管の画面が4台くらい天井からぶら下がってるやつ)を歌って、歌詞が歌うペースに合わせて色が変わるのと、歌い終わった後に点数が出るのにびっくりした!という土産話を聞きました。

私が高校生の時、カラオケにハマった両親が家庭用の8トラのカラオケ機を買いました。これも歌い終わると機械の中央のデジタル数字が点数を出してくれる機能が付いてました。

当たり前の採点機能

だからカラオケ好きな人なら「採点機能」は当たり前の標準装備で、大抵は普通に採点表示することでしょう。なんの疑問もなく。

テレビでも「歌がうまい選手権」みたいなコンテスト番組でメインの審査はカラオケの採点された点数で「勝負」を決めたりします。

でもバーやスナックではそうもいかないようです。

この前、近所のテナントビルで見つけた貼り紙です。

「採点は禁止」なぜ?

そう、「勝負」「上手いか下手か」というカラオケの楽しみかたに問題があるのです。

トラブル例その1

例えば、初めてその店に入った人が無邪気に玉置浩二の「メロディ」を歌います。「あのーこーろはー♩なにーもーなーくてー」熱唱しました。果たして点数は89点!「やったー!惜しかったなあ!もう少しで90点だったのにー!」なんてマスターに話しかけたら、マスターが怪訝な表情。そしてスピーカーから流れる「メロディ」のイントロ。「えッ?」カウンターの1番奥に座っていた強面(こわもて)の中年男性が「メロディ」を朗々と歌い出します。シャクリやビブラートを多用します。「95点」

採点トラブル

一見のお兄さんは内心ムッとしながらも、常連オヤジに気を使って「すごい!上手ですねぇ。93点なんてボク出したことないですよ!」と盛り上げようとします。するとオヤジ「あのね、君はまずマイクの持ち方からなってないよ。そして発声。お腹から出すの、喉は開放、わかる?」なんて「勝手にレクチャー」が始まりました。10分後、お兄さん鳴ってないスマホの画面を見て「あ、マスター用事が出来ちゃった。また来ますね!」。残念ながら2度とそのお兄さんがこの店に来ることはないでしょう。マスターはやり切れない気持ちでいっぱいです。

なんて話、結構あるんですよ。この「お兄さん」は優しい人なのでコレですみましたが、

トラブル例その2

「なんで?かぶせるんだよ!あからさまじゃないか?そんな歌い方じゃちっとも良くないよ!歌はな点数の高い低いじゃないんだよ!」なんて怒るかたもいると聞きます。こうやって相手をなじる怒り方をすると、言われた方も黙ってられなくなります。「ただこの歌が歌いたくなっただけじゃないか!なんでそんな言われ方されなきゃいけないの?」なんてなりますよね。店内の空気は鉛のようにズーんです。

トラブル例その3

ある程度、常連さんと仲良くなって、その常連さんが「夏の終わりのハーモニー」をエントリーしました。「あ、その歌、僕も歌えます。玉置か陽水か分けて歌いませんか?イエイ」すると常連「あ、採点してるんで遠慮します。」とバッサリ。ただ主旋律だけを1人で悦に入って歌い上げます。

お酒が入る世界、年齢とか役職とかが関係ない世界、そこに「採点」という「格付け」の数字が入ると「トラブル発生」ですね。

本来の楽しみ方ができる人もたくさんいる

もちろん!普通に「採点」のおかげで盛り上がって「やったー!98点!」とか「悔しい!」とか「一緒に歌ってくれたおかげだよ!」とかワイワイやってる人たちが殆どでしょう。

最近は世界中の人と採点合戦したり、自分の点数の記録を残しておいたり、と「採点」の楽しみ方も多様になってます。

DAMにはお色気な動画に合わせて歌って、途中経過の点数が高いほどお色気度が増していくなんていう女人禁制?の楽しみ方も。その他、様々な「採点モード」が用意されててそれを目当てにカラオケをやる人も多いのです。

カラオケボックスがライバルだから

カラオケバーのライバルはやはり「カラオケボックス」です。カラオケボックスと差別化するには「採点のない歌の楽しみ方」を提案するか、

「採点」はOKだけど、こんな注意事項を書いた貼り紙をべたべた貼るか。

「他のお客様と同じ歌を直後にエントリーしないでください」

「点数の高低だけで上手い下手は判断できません」

「お客様同士のトラブルは店外に出てからお願いします」

なんて。悩める問題ですね。

曜日によって縛りますか?「今日は水曜日だから採点なしの日ね」とか「今日は土曜日だから採点つけっぱなしですよ」とか。

毒が薬になるか、それとも毒のままかはマスターの裁量次第です。それもまたカラオケバー運営のおもしろさかも知れません。強引にまとめました。「正解」はないものですから。前向きに楽しく対応しましょう。

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