先日「スリーフィンガー奏法」のレッスン用動画を紹介しました。
【ギター練習動画】スリーフィンガー習得レッスン「結婚しようよ」
軽快なリズムを生むこのスリーフィンガー奏法について、知っておくと習得が早くなるアレコレを紹介します。
「アルペジオ」と「スリーフィンガー」は違うの?
ギターを長年弾いている人でも「アルペジオ」は4本指、スリーフィンガーは3本指と区別つけますね。
はい、間違いです。
「アルペジオ」ってのは和音を単音で伴奏する分散和音という意味です。
ですから4本指で弾こうが3本指で弾こうが2本指で弾こうがピックで弾こうが
単音で伴奏したら全部「アルペジオ」です。
「アルペジオ」を弾く奏法の1つとして「スリーフィンガー」というのがあるということです。
どうして3本指なの?
軽快な8ビート、16ビートを表現するためです。
「拍子」と「ビート」は厳密にいうと違う意味なのです。
「8拍子」と「エイトビート」は意味合いが違うということです。
今は「違う」ということだけ知っておけば充分です。
スリーフィンガーはドラムで言うとスネアをたたく位置(アクセント)を親指でハジくことにより
ビート感を生み出す奏法なのです。
なので上記のパターンを4本指(ベース音のみ親指、3弦人差し指、2弦中指、1弦薬指)で
弾く人も時々見かけますが、それだとこのビート感を出しづらく、ただの8拍子、16拍子に成り下がっています。
余程の修練を積めば4本指でもビート感が出せるのかもしれません。いまだ見たことありませんが。
最初から3本指で練習すれば、すぐにビート感が出せるようになります。
どうして親指が忙しいの?
上に挙げたように「ビート感」を強い親指でしっかり出すためです。
また親指にタメを出したり(ちょっと遅れる)食ったりする(ちょっと早く)ことで
思い思いのリズムを表現できるのです。
親指の動きでリズムを操作しているものですから忙しいのです。
「サムピック」は必要なの?
スリーフィンガーは親指を駆使しますし、ビート感を出すために親指で強く弦をはじくことが多いです。
スリーフィンガーレッスン動画を2本撮るために、久しぶりにスリーフィンガーで1時間くらい弾きました。
結果
水ぶくれができました。
まあこれは1~2日放っておけば硬いカサブタになってサムピック代わりになるのですが。
しばらくスリーフィンガーを生指で弾いてなかったものですからこのカサブタが消えていたのです。
これを痛々しいと思うならば最初からサムピックを使って練習しましょう。
ほら、これなら親指も傷みません。
サムピックを付けるとより強く弦をはじくことができるのでビート感をより表現しやすい
ミュート奏法ができます。親指の腹で弦を触って、かまわず弾きます。
すると「ぶっ、ぶっ」と小気味の良い音が出ます。
「サムピック」ってフラットピック代わりに使えないの?
初心者はフラットピックでストロークをすることに不慣れで、ピックが指から離れたり、回ったりと苦労します。
そういうときこのサムピックに目をつける人が少なからずいるのです。
サムピックなら指から離れないで安定しているじゃないか?
これが大きな間違い。
サムピックでストロークはできません。
たまにですがプロやライブミュージシャンの中にサムピックでストロークをしている人を見たことがあります。
たしかに不可能ではないようです。が、その人たちはフラットピックのストロークももちろんこなせます。
そして正直フラットピックの半分もストロークの表現の幅が狭くなっています。
変な夢を見ないであきらめてフラットピックでストロークの練習をしましょう。
どうして「スリーフィンガー」に憧れるの?
スリーフィンガーはビート感が表現できるのが一番のメリットなのですが、
実は1970年台のフォーク少年が憧れたのはその「スピード」です。
たとえばこの動画を見てください。
ね?速いでしょ?「ぴりりりりりりりぴりりりりり」って感じで。
そう、この「ぴりりりりり」ってどうやって弾いてるの?と、ビデオやユーチューブなんかが無かった時代
ギター少年たちはこの奏法に憧れ追い求めたのです。
クラシックギターの「禁じられた遊び」や「アルハンブラ宮殿の思い出」の「ぴりぴりぴり」の美しさに憧れて
クラシックギターを習い始めた人を私は何人も知っています。
そんな感じで「スリーフィンガー」に憧れてフォークギターを手に持った人も多いのです。
「スリーフィンガー」って誰が広めたの?
「スリーフィンガー奏法」はやはりアメリカのフォークソングの奏法のひとつです。
ボブディランも古きフォークの先輩たちからスリーフィンガー奏法を学び会得していました。
日本のフォークソングは独自のジャパニーズフォークソングに進化していきます。
その際たるものがギター2~3台のアンサンブルをバックに歌うという世界です。
当時、石川鷹彦というシンガーソングライター(元 六文銭)がギターアンサンブを作り出す名人でして、
数々のヒット曲のレコーディングに携わったのです。
その石川さんがスリーフィンガーの達人でもあったのです。
吉田拓郎の「旅の宿」
かぐや姫の「22歳の別れ」
上記の「あの素晴らしい愛をもう一度」
アリス「秋止符」
長渕剛の「夏祭り」
などなど素晴らしいスリーフィンガー奏法による伴奏が当時のフォークファンを虜にしたのです。
1970年代から1980年代まで幅広く。
明日、また新しい「スリーフィンガー」レッスン用動画を紹介する予定です。
懸命な読者の皆さんにはもうばれてますね。ではまた明日。
追記:アップしたのでリンクします
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