バー開業【コンセプト例】「フォーク酒場」

コンセプト

「10坪で20席ワンオペ」のバーで集客力のあるコンセプトを考えます。今回はズバリ「フォーク酒場」。もう「フォーク酒場」という名称で分かりますよね。

ライブハウスではなく?

例えばあなたが音楽が大好きだとします。「ライブハウス」をやりたい!でも「ライブハウス」はドラムにベース、エレキギターと爆音が前提のスペースです。防音対策、キャパは50人はないと成り立ちません。バンドがやるステージ、音響照明のコントロールスペース、控え室、受付、ドリンクバー。「10坪20人」の前提からは大きく離れます。莫大な資金が必要ですし、維持するのにスタッフも何人も雇わなければいけません。これも「マスター1人でできる」というコンセプトから離れてしまいます。

だからそういう理想を「10坪20席ワンオペ」という現実に落とし込んでいくのです。

「アコースティック」なら騒音問題クリア

騒音問題については例えばカラオケOKの居抜きの物件は結構ありますので、カラオケと同等かそれ以下の音量でライブが出来れば良いですよね。となると、ドラムやエレキギター、エレキベース、いわゆる「エレキバンド」はダメです。「エレキ」に反して音を抑える、ある意味生音(なまおと)つまり「アコースティック」の世界はどんなジャンルにもあります。

そうなるとさまざまなジャンルのコンセプトが思い浮かびます。クラシックギター、ブルーグラス、ジャズ、ボサノバ、ブルース、フォーク、、

「フォーク酒場」をやってみよう

今回はフォーク、「フォーク酒場」について具体的に考えていきます。

ターゲットの年齢層は?

フォークソングが一世風靡したのは1960年代後半から1980年頃まで。

例えば1970年に高校生だった人は今67歳(2020年)という計算です。その頃は岡林信康(フォークの神様)、高石ともや(フォークの父)、高田渡(フォークの天才)がサブカルチャーとして人気の時代でした。

1975年に高校生だった人は今62歳です。この頃は吉田拓郎かぐや姫らがフォークをメインカルチャーに押し上げ日本人で知らない人はいないくらいフォークソングが愛されました。

1980年に高校生だった人は今57歳です。この頃はアリス、長渕剛、さだまさし、松山千春と若い世代が台頭してきたのですが、残念ながら世は他のジャンルに傾き出したころです。それぞれヒットチャートで上位には上がるもののフォークソング人気はかつての勢いはありませんでした。それより聖子ちゃんや明菜ちゃん、たのきんトリオなんかに世は夢中でしたよね。

よってターゲットは57歳以上の人です。性別は関係ないです。この人たちが高校生、大学生の時は「フォークソングサークル」や地域の「フォーク村」などがあって女性もたくさん在籍していたと聞きます。男性はこぞってフォークギターを月賦(ローン)で買い(親に買ってもらい)、ガシャガシャと練習し、学校や集会所で披露するのです。「モテたい一心」で。この「モテたいからギターを始めた」と言う人はアラ還(60歳前後)の人たちで、そのパイオニア70歳の人たちの学生時代はもう一つ「学生運動」の先導者としての面も持ってましたので「モテたいからギターを始めたんでしょう?」なんて軽口叩いたら火炎瓶を投げつけられます(冗談)。

2種類のフォークソング

フォークソングも大きく分けて「プロテストソング」と「カレッジフォーク」に分かれてて、反社会的な衝動的な思想のこもった歌を歌う「プロテストソング」と世の美しさ、恋愛の儚さなどを綺麗なメロディで歌う「カレッジフォーク」は似て非なるものですが、例外も多々あり一概には説明できないところもあります。

団塊の世代の自作曲

1970年頃のこの頃のフォークソングで注目すべきところは自作曲がもてはやされたことです。プロじゃなく音楽の理論も知らない国語の成績も悪い若者が作詞作曲をした自分の歌をギターを弾きながら歌うのです。私はこれが大きなフォークムーブメントだと思っています。

マーケットが大きいのはフォークソングのコピー世代

ただし今回の「フォーク酒場」のターゲット層はその少し後の世代です。そのころみんながやっていたのは「コピー」です。かぐや姫のレコードを何度も何度もかけて耳コピーをして友人とギターアンサンブルを練習する。歌もハモりあって遊んだり。または1人で部屋にこもってとことん吉田拓郎のコピー練習に励んだり。そんな青春を過ごした世代がターゲットです。このフォークソングのコピーの経験をした人口が圧倒的に多いからです。そして意外かも知れませんが今の若い世代に引き継がれていたりするのです。60歳のお父さんに影響を受けた息子さん、そう、もう30歳を超えててもおかしくないですよね。今や幅広い世代が吉田拓郎、かぐや姫、長渕剛、松山千春、さだまさし、中島みゆきの歌をギターを弾きながら歌うことができるのです。

これはビジネスチャンス!と20年前2000年を過ぎたあたりからポツポツと「フォーク酒場」なるものが誕生しました。ターゲットのフォークコピー世代が当時は40歳台後半から50歳台前半だったのでみんな元気いっぱい。繁盛しました。

10年前は盛況だったフォーク酒場

10坪から15坪のバー的な店内にマイクとギターが片隅にあって、そこで思い思いにお客さんが好きなフォークソングを弾き語る。ギターを弾けない人は、弾けるお客さんにお願いして伴奏をしてもらったり。店内の共有感バッチリです。

今は「ゆったり」だけど確実に需要はある「フォーク酒場」

あれから20年、みなさん定年を迎えて会社帰りに遊ぶこともなくなったり、再雇用で給料が減り頻繁に遊ぶ余裕がなくなったり、とマーケットが減っていることは確かです。が、「10坪20席ワンオペ」のバーにはちょうどいいくらいです。1日平均10人のお客さんで充分なのですから。

若い世代のギター弾き語りのコピーも人気があります。ゆず、スピッツ、斉藤和義、山崎まさよし、竹原ピストル、秦基博など。ブルーハーツやRCサクセションをギター弾き語りで熱唱する人もいます。

どうです?「フォーク酒場」、素敵でしょう?

フォーク酒場で遊んでみよう

先ずは近くにある「フォーク酒場」に足を運んで実体験することをお勧めします。大抵のフォーク酒場のマスターは高齢の方が多いので「フォーク酒場を開きたい」気持ちを訴えれば優しく一から教えてくれますよ。本当に。

筆者は名古屋市在住ですので、名古屋でノウハウを教えてくれるフォーク酒場でしたら紹介できます。お問い合わせフォームからご連絡ください。

 

↑おススメスピーカー。本当にこれ良いです。

 

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